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ロボット革命の実現 インダストリー4.0の推進に伴う、次世代の安全

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IDEC株式会社の「人-ロボット協調安全用スリーポジションイネーブル装置」は、人間工学的安全技術・応用技術開発と、日本主導での国際規格づくりによるグローバル市場を創造したとして、第7回ロボット大賞(日本機械工業連合会会長賞)」を受賞しました。とりわけ、要素技術としての点だけでなく、ロボット革命実現のための、人-ロボット協調環境での重要な安全装置として、一層の応用開発推進によるビジネス・社会実装の面でも評価されています。

ロボット協調安全用スリーポジションイネーブル装置

安全の考え方の変遷

日本でのロボット革命の推進、またドイツにおけるインダストリー4.0の推進により、ロボットの活用が自動車製造分野のみならず様々な分野に拡大し、またマスカスタマイゼーション(多品種変量生産)の社会実装が始まっています。

この状況において、製造業では従来のロボットを柵で隔離する安全のみならず、人-ロボット協調による生産性と安全性の同時実現が望まれ、協調安全を新コンセプトとし、様々な応用が模索される時代に突入しました。

下図は、人の注意力や判断力に頼った安全確保のステージをSafety0.0、人と機械を時間的、空間的に分離する、いわゆる、機械安全の隔離の原則と停止の原則に基づいた安全確保のステージをSafety1.0と呼び、今後は人と物と環境が協調して構築する安全、協調安全のステージSafety2.0に向かうという安全の考え方の変遷を示しています。

安全の考え方の変遷

このような潮流において、製造工場等では人とロボットの協働作業が検討される時代となってきており、人間工学に基づく安全技術開発が必要不可欠となってきています。とりわけ今後のロボット分野においては“人間工学に基づく安全”の確保が必須であり、そうすることで人-ロボット協調安全に代表される世界中の次世代工場のニーズに対応できるのです。

人-ロボット協調安全のキーデバイス

ロボットの稼働領域内で人が共存して働く、いわゆる協働作業時の安全を確保する、そのキーデバイスの一つが「人-ロボット協調安全用 スリーポジションイネーブル装置」です。

技術的には、独創的なOFF-ON-OFFのスイッチング機構を有し、信頼性や安全性が高く、ロボット操作における協調安全のデファクトスタンダードとして世界で利用されています。とりわけ人間工学的な安全実現が先進的な特徴です。

スリーポジション動作の状態遷移図

スリーポジションイネーブルスイッチの有用性

ロボット安全への取組み

IDECでは、ロボット操作における人の安全について約20年前から取り組んできました。

イネーブル装置出荷台数推移

第1期:世界に存在しない“人間工学”に基づく考え方の安全装置であったため、日本から安全コンセプトを提案し、国際学会発表等により、世界をリードしました。

第2期:この装置の国際規格が存在しなかったため、経産省の支援で日本が主導してIEC規格づくりを成功させました。同時に、ISO ロボット安全規格創成にも貢献しました。

第3期:国際標準化成功により、日本の主要ロボットメーカーのみならず、スウェ-デン、スイス、ドイツ、オーストリア、米国、そして中国といった、ロボットメーカーや自動車業界のようなロボットユーザー等に広く浸透し、世界シェア90%(推定)を実現しました。

第4期:ロボット革命やインダストリー4.0における、人-ロボット協調環境での重要な安全装置として認識され、一層の応用開発を推進し、この約3年で100万台出荷を達成しました。そして現在、人-ロボット協調安全に不可欠な、最重要の要素技術となってきています。

イネーブリング装置のさらなる普及拡大

IDECは、スリーポジションイネーブル装置を人とロボットが協調する環境での安全を人間工学的に研究し、多数の製品をシリーズ化して開発し、さらに各ユーザ企業向けの応用開発を推進して、世界中に提供してきました。その先進性と独自性を国際社会からご評価いただき、大きい市場シェアを獲得できたと考えています。

本装置は、ロボット操作用のティーチングペンダントやグリップ装置への搭載が不可欠であり、ダイレクトティーチングやハンドガイドといった操作にも不可欠となってきました。

また、下の写真に示すように、ドイツのインダストリー4.0でのスマートファクトリーでも使用されており、今後、ロボット技術のさらなる応用とともに世界中で普及するロボットセル生産システム等での利用も大幅に拡大することが予測されます。

ロボット進化に伴うイネーブル装置の拡大

次世代の製造現場の安全のために

今後、ますます労働力不足や熟練技術者不足などからロボットを活用した製造ラインなどが普及することは必至であり、人-ロボット協働作業に代表されるように、よりフレキシブルでかつ高生産性の機械装置が求められる中、その実現のためにこれまで以上に様々な安全技術の開発が必要となるでしょう。

 

特に人と機械の共存領域で機械を止めずに安全に作業するためには、機械安全や機能安全技術を正しく理解し、適切に活用することがますます重要となっていきます。紛れもなくそのキーデバイスの一つがスリーポジションイネーブル装置であり、今後、我々は様々な他の安全機器等と協調しながらロボット革命時代の製造現場での安全確保に貢献していく所存です。

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