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REX12 サーキットプロテクタ:IO-Linkで保全における暗黙知を形式知へ

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IoT(Internet of Things)やインダストリー4.0(Industrie 4.0)の普及によりあらゆるモノがインターネットにつながる時代となり、製造業に変革をもたらすと言われております。当社のお客様においても、その取り組みは加速しているように感じます。その一方、IoT導入のメリットを感じながらも、事業的な意味合い、新たなビジネスへの展開などが見通しにくいという懸念をお聞きする機会が増えています。

一口にIoTといってもアプローチは様々で、何を目的にするかはその企業に依存します。大きく分けると、①「考える工場(スマートファクトリー)」へのアプローチ、②ビッグデータ分析で「新たな価値(サービスや事業)の創出」の二つに絞れるのではないでしょうか。

上記①に関しては長期的なビジョンをもって経営者主導ですすめるトップダウン型で、会社全体で動かないと難しいアプローチの仕方です。②は「見える化」によって価値を見出す現場主導ですすめるボトムアップ型で、現場主導でアプローチが可能です。例えば、IoTの先駆的成功事例として有名なコマツの「KOMTRAX(コムトラックス)」も元をたどれば、盗難対策がきっかけと言われています。現場からの要求を見える化し改善した、いわゆるカイゼンが新たなビジネスを創出する好事例です。日本の製造業の強みと言えるカイゼンにIoTを駆使した見える化からスタートするのは自然な流れであり、まず目先の課題に注力することで新しいアイディアが生まれるかもしれません。

そこでIoTを導入するきっかけの一つとしておすすめしたいのが、暗黙知の形式知化(見える化)によるカイゼンです。

「暗黙知」の「形式知化」でカイゼン

暗黙知の形式知化、不可視知の可視知化はカイゼン活動の一環として、製造プロセスのデータ収集・活用により多くの企業が取り組まれています。

暗黙知をどのようにカイゼンにつなげるのか、サーキットプロテクタを使用する保全技術者の一例をご紹介します。

保全技術者における暗黙知の破たん

従来、サーキットプロテクタは負荷やケーブルを過電流から守り最悪の事態(負荷やケーブル焼損による火災)を防ぐための遮断保護装置でした。遮断後はラインのダウンタイムが発生するので速やかにその負荷の特定と修理・交換が求められ、それは保全技術者の活躍の場でした。保全技術者の仕事は故障によるダウンタイムの最短化で、熟練の保全技術者はこれを長年の経験で予知し、故障前に交換するという暗黙知を発展させました。これが日本の製造業の大きな強みの一つだったのですが、団塊の世代が第一線を去り人手不足もあり、この暗黙知は破綻しました。

温度二倍則の見える化がカギ

ところで、装置側を見てみるとほとんどの電気負荷は、断線故障などを除き消耗により電流値は上がっていきます。この上昇により負荷の温度が上がり加速度的に劣化は進みます。故障の予兆点以降は温度二倍則が顕著になり、温度上昇分の倍の速度で負荷の寿命が短くなっていきます。この二倍則が始まる点を可視化し事前に対策することで突発故障を防ぐことができれば、熟練保守技術者の経験、つまり暗黙知に頼らない保守業務のカイゼンが実現します。

形式知化を実現するIO-Link対応サーキットプロテクタ

ここで登場するのが、E-T-A製IO-Link対応サーキットプロテクタREX12です。

REX12はDC24V/6Aまでの負荷に限定されますが、サーキットプロテクタがIO-Linkでつながったことで負荷電流のモニターとロギングが可能となりました。REX12は定格電流とは別に任意の電流値を過負荷としてユーザで定義し、警報電流として設定するができます。これを超えると信号が出力され、このイベントの頻度をカウントすることで故障の予兆判断ができるようになりました。つまり数値化することでバスタブ曲線(二倍則が始まる点の可視化)をデジタル化し、形式知化することが可能になります。

バスタブ曲線

勿論、負荷電流が定格電流を超えた場合はプロテクタとして回路を確実に遮断します。この際もリセットはローカルあるいはIO-Linkで行うことができます。また、IO-LinkでプロテクタをOn/Offできるようになったことでリレーとして使うことも可能です。

REX12は、これらの相互制御を回路の増設・削除にほぼ無関係にIO-Linkワイヤで一気通貫できる点が大きな特長です。

注釈:IO-Linkは様々な産業ネットワークに接続できる、現在もっとも注目されるセンサネットワークの一つです。(詳しくはこちら

IO-Link サーキットプロテクタ REX12

ここでは、IO-Link の要求条件を満たしたサーキットプロテクタE-T-A製REX12について簡単にご紹介します。

REX12の特長

  • IO-Link で生産ラインが一気通貫します。
  • サーキットプロテクタがリレーとセンサーを兼用しコストが下がります。
  • 1回路あたり 6.3mmという薄化デバイスでDINレールに余裕が生まれます。
  • 配線コストが激減します。

IO-Linkの要求条件

  • 定格電流とは別に過負荷の閾値が自由にセットできること
  • 閾値を超えると信号が発信できること
  • プロテクタのOn/OffがIO-Linkで操作できること
  • 上記1-3 の機能がIO-Linkプロトコルで相互操作できること
  • 回路の増設/削除が簡単にできること
  • EMC/EMI対策ができていること

REX12の取り付け・増設方法

REX12の取り付け・増設はとても簡単です。

REX12の取り付け・増設

アームレバーには接触子が内蔵され、レバーを隣のモジュールにロックすると自動的に回路が形成されます。合計40Aの容量までDINレールに連結でき、幅わずか12.5mm(2回路分)のデバイスは場所を取りません。

REX12取り付け説明動画

取り付け詳細は、下記動画にてご確認いただけます。ご参考ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。IoTは産業界にも大きな変革をもたらすと言われ、導入するとなると大きな期待を抱かれ、逆に躊躇してしまう場面があるかもしれません。

しかし、今回ご紹介した事例のように目の前にある課題(ここでは暗黙知の形式知化)をIoTの技術を利用し、一つひとつ解決することも大事なのではないでしょうか。そして、この積み重ねがヒントとなり、次のビジネスにつながる大きな一歩になるかもしれません。

出典、引用、参考文献

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IO-Link E-T-A REX12

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