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IoT/M2Mソリューション

ベッコフオートメーションが提供する スマート工場実現のためのソリューション

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はじめに

2016年のハノーバーメッセでトヨタが採用を発表してから国内でも注目度が高まったEtherCAT。1年以上経過した今でもその状況は続いています。EtherCATの特長は高速性、同期性、省配線性にも優れている点にあります。そのため、今後さらに要求が高まるであろうシステムの大規模化、高速化の流れの中でEtherCATに対する期待はますます大きくなると考えられます。

ベッコフオートメーション株式会社(以下、当社)はドイツに本社を置き世界78カ国にネットワークを持つグローバル企業であり、このEtherCATの開発元として広く知られています。ドイツでは産官学の協力の元、Industrie 4.0(以下、I4.0)への取り組みが進められていますが、I4.0の最大のテーマとして「スマート工場の実現」が掲げられています。当社はドイツにおいてこのテーマに対して積極的に取り組んでいるのですが、それは当社の提供するEtherCATを用いたソリューションがスマート工場実現において皆様のお役に立てると信じているためです。

本稿では、EtherCATおよび当社の製品群が使われたスマート工場の事例を紹介すると共に、最新のIoT対応製品を紹介します。なお、本稿ではEtherCATの詳細な技術的仕様には触れませんが、ぜひETG(EtherCAT Technology Group)で公開されている技術仕様を参照して下さい。仕様をご覧になることでEtherCATの特長をよくご理解いただけると思います。

2.EtherCATを利用したスマート工場の実現

I4.0に参画している企業の一社としてnobilia(ノビリア)というキッチンメーカーがあります。ノビリアは1日2,700セット、年間60万セットを生産する欧州最大の高級キッチンメーカーです。キッチンは各家庭のニーズに合わせてデザインが異なるため原則として1品ごとに仕様が異なります。従来のライン方式では対応できないことはご存知の通りですが、ノビリアでは生産工程を高度に自動化し、膨大なデータを元に工程を最適化することで顧客の要求を実現しています。

生産工程は材料を部品に加工する「前工程」と完成品に組み立てる「後工程」に別れますが、前工程は木工用工作機械、後工程はKUKAのロボットによって自動化されています。

前工程では、材料を切り出す工作機械の消費電力や材料の無駄を最小限に抑える切削方法をリアルタイムでシミュレーションしながら工程を最適化しています。また、部品や用途ごとに異なる組み立て用のダボ穴位置も全てオラクルで動作するデータウェアハウスで管理しています。例えば、穴あけ加工の際の工作機械のスピンドルモーターの電流値、モーターやワークの振動、穴の形成過程と切り屑の形状や温度に至るまで、あらゆるデータが記録され、品質向上のために活用されています。

後工程では、在庫された加工済み部品から注文ごとに必要な部品をERP、MESが選定し、ピッキングされた部品に個体識別用の二次元バーコードが付けられます。ここで生産工程とERPが直結し、各部品が個別認識できるようになります。これにより、この部品がどの顧客に注文されたどのデザインのキッチンのどの部分の部品で、どのロボットでどのように組み立てられ、どこに届けられる必要があるかを部品ごとに把握できるのです。これにより「1個流し」であってもロボットによる自動組み立てが可能なため、複数のセルの組み立て能力を動的に融通しあって最適な稼働率を維持できる他、不具合発生時の個別の原因究明の効率化が可能です。仕様が各キッチンで異なるにも関わらず、業界標準の約半分の納期を実現できるのもスマート工場の仕組みが優れている証左と言えるでしょう。

ノビリアの工場は各工程間の通信ネットワークにEtherCATを採用しており、全行程に渡って当社のソフトウェアPLC/NC(TwinCAT)が動作する540台のIPC(産業用PC)で自動制御しています。工場全体での1日当たりのデータトランザクション数は100万を超え、これをトランザクション当たり100ミリ秒程度の時間で処理します。この「Manufacturing by Wire」と呼ばれているノビリアの生産方式では全部品にいわばIoTデバイスのようにアイデンティティを持たせており、I4.0の先駆けとも言える生産システムです。これほど大規模かつ高速な処理はEtherCATを通信ネットワークに採用しているからこそ可能なのは言うまでもありません。

もちろん、これだけ高速な処理を大規模なシステムにおいて安定して動作させるためにはプラットフォームも重要です。分かりやすいポイントとしてシステムジッターの少なさがあります。他社PCの場合、ハイエンドなものであってもシステムジッターが発生し、それが制御のリアルタイム性に影響を与える可能性があります。当社のIPCの場合システムジッターはほぼゼロになるように最適化されています。(図1参照)

このように、EtherCATを運用する上で最適化された当社の製品を用いることでノビリアはスマート工場を実現しているのです。

図1 システムジッターの比較

3.TwinCATによるIoTソリューション

当社は産業用PC(以下IPC)とソフトウェアPLCを組み合わせたPCベース制御製品が主体の会社です。その中でも中心的存在な製品がEtherCATをベースにしたソフトウェアPLCである「TwinCAT(The Windows Control and Automation Technology)」です。

高速かつ柔軟性の高い制御の実現のためには欠かせない製品と言って良いでしょう。このTwinCATはPC上に複数のPLC、NC、CNC、モーションなどのシステムを構築可能なソフトですが、非常に拡張性が高いため適用範囲は従来の制御システムだけに留まりません。新しいソフトウェアライブラリーを利用すればビッグデータ、パターン認識、ステータスモニタリングなどの様々なアプリケーションの作成も可能になり、ビッグデータの分析やクラウドサービスとの通信にも対応するため、IoTに対応する最適なソリューションとなります。

ここで、IoTに対応したTwinCATの機能について少し詳しく紹介します。

新しくリリースされたTwinCATの新機能「TC3 IoT」はIPC/EPC内のあらゆるプロセスデータを任意のパブリックもしくはプライベートクラウドに集約するためのものです。TC3 IoTは、データを収集するデバイスおよびソフトウェアとクラウドサービスとの間のゲートウェイとして機能するデータエージェントと、収集したデータを持つIPCとエンドデバイス間のデータ送受信を司るコミュニケーターで構成されます。TC3 IoTが対応するクラウドサービスとしてMicrosoft Azure、AmazonAWSなどがありますが、MQTT、AMQPメッセージブローカーにデータを送ることも可能です。また、コミュニケーター機能を使うことでタブレット、スマートフォンなどさまざまなエンドデバイスでプロセスデータが確認できるため、場所を問わず機器の状態監視が可能になります。

もちろん、当社の製品はIPC(もしくは産業用組込みPC(EPC))とTwinCATだけではなく、あらゆる入出力形式に対応したスライスタイプのIOターミナルやサーボドライバーやモーター等のモーション製品など多岐に渡ります。これらを組み合わせることで様々な用途に応じてEtherCATを用いた制御システムを柔軟に構築可能ですが、例えばI4.0で謳われているスマート工場も当社の製品によって実現可能です。

当社のIPCにTwinCATをインストールして、工場内で使われているセンサーやアクチュエーター等の種類に合わせて豊富なIO類から最適なものを選択してつなげるだけで、リアルタイム制御システムが構築できます。さらに、前述したTwinCAT IoTなどの新しい機能を利用して工場内の設備をすべてIoT化することで、あらゆるデータを収集、分析、共有といったスマート工場実現のために要求される機能を追加できます。

スマート工場

なお、既存の工場であっても当社のIPCとTwinCATを導入することでEtherCATに対応したスマート工場化に向けてのステップを踏み出すことができます。プロセスの完全自動化まではハードルが高くとも、データ収集、分析による予防保全やプロセス最適化による省エネ、パターン認識による品質向上などへの対応は早い段階で実現できます。

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