シュナイダーARアドバイザー|最新ARソリューション


かざせば見える!ARで直感的に情報をつかむ
産業界でも注目されるAR(Augmentd Reality:拡張現実)技術を使った本格的なFA向けARソリューションがこれからの産業界を大きく変える!!最新のARトレンドを紹介いたします。
1. シュナイダーのARソリューションとは
シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社(以下シュナイダー)はIoTプラットフォーム「EcoStruxure」の一部として「EcoStruxure Augmented Operator Advisor」(以下シュナイダーARアドバイザー)を用意しています。
これは産業界で重要と言われる
- 機器を「繋ぐ」
- データを「集める」
- 集めたデータを「解析する」&「活用する」
に対して、シュナイダーARアドバイザーは「活用する」に着目した最新のソリューションです。
昨今、産業界においてのDigitization(デジタル化)を言われて久しいですが、それぞれの企業が取り組んできたIoT化において、データを「集める」まで対応し、次の段階として効率アップにつながる具体的プランの検討段階に入っている企業が多くなってきました。シュナイダーでは後述する理由により、AR(Augmented Reality:拡張現実)技術を活用して、これらのデータを有効に活用するソリューションを開発したのでご紹介します。
まず、産業のデジタル化において、改善のポイントを次の3つのカテゴリーに分けて考えています。これらそれぞれの分野で、シュナイダーが持つさまざまな技術やノウハウを活かして、お客様の改善につながる活動を行っています。
- Augmented Operator(オペレーターへの改善)
- Asset Management(工場、機械・装置の改善)
- Smart Control(リソース・プロセスの改善)
ある外資系コンサルティング会社の調査結果では、AR技術の採用で、45~55%生産効率の改善が見込まれるというデータがあります。
すなわち「集めた」データを活用し、オペレーターの使い勝手を高めるソリューションを与えることによって、ダウンタイムなどを半減させることが可能になるというものです。次章では、このソリューションについて説明します。
2.「シュナイダーARアドバイザー」概要
シュナイダーARアドバイザーのシステム構成は、オペレーターが持つタブレット等の端末、データの受け渡しの中心となるARサーバー(PCベース)、それらをつなげる無線機器で構成されています。
これは、AR技術を活用して、オペレーターにアドバイスを与えるツールですが、一般にタッチパネル等で入力操作を行う据え付けタイプのプログラマブル表示器(HMI)と同様に、制御機器のリアルタイムデータを表示し、さまざまな機器の状態をアラームやテキスト等でオペレーターに伝えることができます。ただし、従来のHMIと比較して大きく異なる点は、HMIではオペレーターが見たいと思う情報を意識して画面や項目を探す必要がありますが、シュナイダーARアドバイザーでは、対象となる機械・装置にタブレットをかざすだけで、見たいデータに対応するPOI(Point Of Interest:ARアイコン)を、装置の該当する場所に表示するので、オペレーターは直感的にPOIをタッチすることで必要な情報を得ることができる点です。 また、これらPOIを表示させる条件を、PLC等のデバイスにリンクさせることで、同じ装置にタブレットをかざした場合であっても、メンテナンス時にメンテナンス手順やポイントの情報を与えるためのPOIや、異常時のみに表示させるPOI等をシチュエーション別に設定することができます。
これら生産現場で使われている制御機器のデータや状態をリアルタイムに取得して、ARでの表現を組み立てることができることが、他のARソリューションと大きく異なる点です。例えば、一般的なドキュメントビュワーと比較して、シュナイダーARアドバイザーの場合は、今、発生している状態を読み取り、的確にオペレーターに与えるべきドキュメントを判別し、POIに紐づけることができます。
ある統計データによると、生産現場で発生した問題解決に費やす時間のうち約40%が、必要なマニュアルやドキュメントを探している時間と言われており、単純にこの部分でもダウンタイム時間の短縮につながり結果的に生産効率のUPにつなげることができます。
ここまで、制御機器のデータを容易にARで活用できることがシュナイダーARアドバイザーの大きな特長であることを説明してきましたが、これは長年、HMI機器を手掛けているシュナイダーのPro-faceブランドがARサーバーの開発をリードしてきたためであり、Pro-faceが持つ800種類以上の通信プロトコルドライバーのノウハウを、このARソリューションでも活用していることで実現しています。
また、Pro-face Remote HMIというHMIをリモートオペレーションするソフトウェアを連動させることでタッチパネルの排他制御を行いながら、安全に制御機器のオペレーションを行うことができます。
よって、既存の工場設備のネットワークにARサーバーを接続するだけで、AR技術を活用した直感的にアドバイスを与えるソリューションとして、表示・表現することでオペレーターの利便性を高めることができ、生産効率を向上させることができます。
図1:「EcoStruxure Augmented Operator Advisor」(シュナイダーARアドバイザー)
3.活用用途・運用例
ドキュメント閲覧
先述したドキュメントのデジタル化と、状況に応じて判断された的確なドキュメント表示ができます。
部品交換 時期通知・手順の提示
定期交換が必要になる部品に対して、シュナイダーARアドバイザーにより、直感的にその交換時期や部品の型番等を見える化できます。
オペレーターが経験不足であっても、交換手順を資料や動画で見せることによって、人的ミスを軽減でき、交換手順が不安な場合でも、ナビゲーション機能で手順を確実にナビゲートします。
問題解決のノウハウ
これまでも、HMIのアラームやエラーメッセージにより、その事象が発生したことを知らせる術はありましたが、なぜ、そのような現象が発生したのかという原因究明に費やす時間は、担当者の経験や勘に依存することも多く、経験不足の担当者では時間がかかることが多いです。
ARアドバイザーは原因究明を行うための手順や確認すべきポイントを予め準備しておくことで、問題解決までの時間を短縮することができます。
表現の向上
いかにもARらしいギミックになりますが、実際に制御盤を開けず、仮想的に中身の制御機器をタブレットに表示させ(図2参照)、それら内部の機器に設置されたPOIを選択してデータを得ることができます(事前に撮影した制御盤内部の写真に拡張した表示を行うことで実現しています)。
図2:制御盤の中を拡張表示し、扉が開いている情報で表示している
動作している制御盤を開けられない場合や、資格がないと開けられない場合、このARの機能は非常に重宝します。
また、POIの代わりに、任意のイメージ画像を設定することで、より具体的な表現が可能です。これにより、より直感的に危険を知らせる用途や、故障個所を色付けすることで的確にオペレーターに情報を伝えることができます。
図3:「感電注意」や「稼働中」「フィルターの赤いエリア表示」はARで拡張された表示である
いずれのケースでも共通するのは、作業者の経験値に左右されたり、経験や勘に頼る属人的なオペレーションではなく、シュナイダーARアドバイザーが標準化された手順や情報をサポートするため、作業効率が改善され、人為ミスを軽減できるということです。
2017年7月に発表後、世界初の本格的FA向けARソリューションとして話題となり、現在50社以上から採用検討依頼をいただいていることから、産業界においてARソリューションは高いニーズがあり、極めて効果的な提案であると考えています。
日本中で急増するAR商談に対応するため、シュナイダーは全国10社の販売パートナーと提携し、当社公認ARパートナー制度を立ち上げました。
株式会社高木商会もARパートナーであり、シュナイダーと連携して、産業界にARを推進していきます。
関連リンク
シュナイダーARアドバイザーカタログ

