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IoT社会推進を目指したTime of Flight方式距離画像センサー:スタンレー電気

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創業以来、スタンレー電気は車載ヘッドランプを中心に光に関連する製品を社会に提供することで、企業の社会的責任を果たしてまいりました。今後さらに社会の発展に貢献すべく、ものづくりの会社としてIoT社会実現への要望に沿ったゲートウェイのご提案と取り組みを本格化しております。その中でも特にTime of Flight(ToF)方式を採用した距離画像センサーを用いた人流・物流の3Dデータ化のゲートウェイ事業に尽力しております。

はじめに(諸言)

電子技術の発達に伴う電子機器市場の普及により、あらゆる年齢層の方々がスマートフォンをはじめとする小型情報端末に日常的に関わる情報社会となり、今や情報端末のない生活は考えられません。交通インフラの発達により複雑化する都市での人の流れ、ものの流れを把握することを情報インフラに求めるのは至極当然な世の流れと言えるでしょう。特にこれからの社会では、国土交通省が束ねる「i-Construction委員会」に代表されるような、情報端末で人と物の管理が行える「人流・物流の見える化」が今後の世の中の要求となるのは必然です。産業界においてはドローンや車の自動運転を達成すべく、世界中の企業がさまざまな観点から移動体の3Dデータの取得に取り組んでいます。

スタンレー電気の取り組み

スタンレー電気はIoT社会基盤プラットフォームの構築に必須となる人流・物流の3Dデータ取得を目的としたハード、ゲートウェイに注目し、その中でも物体の動きと距離をリアルタイムで取得可能な技術と製品の樹立に尽力してまいりました。オープンイノベーションに基づき産学官連携で尽力した結果、当社は「屋内外問わず人流・物流の動きをデータ化可能」な距離画像センサーの開発・量産を達成いたしました。

距離画像センサー

距離画像センサーから得られる情報は3D画像であり、カメラから取得可能な2D画像に奥行(距離)の情報が追加されたものです。カメラでは遠近を物体の大きさで判断するしかありませんが、距離画像センサーでは距離を色で表現することで「距離の見える化」が可能です(図1)。

近い距離を赤く、遠い距離を青で表現しています。

図1:カメラ(左)と距離画像センサー(右)の撮影像

図1:カメラ(左)と距離画像センサー(右)の撮影像

当社では距離画像センサーの原理にTime of Flight(以下ToF)方式を採用しました。ToF方式では光を照射し、物体からの反射光と照射光の位相差から光が移動した時間を算出し、物体との距離を計算・データ化します(図2)。

図2:ToF方式の測距原理の概略

図2:ToF方式の測距原理の概略

当社のToF方式の距離画像センサーの強みは大別して下記の4点になります。

  • 特許登録済みの外乱光除去技術を用いた炎天下での動作保障
  • 30fpsの検出速度による移動体の追跡
  • 量産化製品の樹立による、安定した製品供給
  • 屋外で使用可能な防水防塵機能(IP65)

これらの強みがあるため、当社の量産製品「TFS0007A」「TFS0010A」は炎天下の屋外で距離画像データをリアルタイムで取得可能です。

距離画像センサーの外観

人流デモカウント

当社の距離画像センサー(TFS0007A)を用いた人流カウントのデモをご紹介します。撮影は5月の晴れの日(照度:約10万Lx)に実施しました。撮影の詳細は下記になります。

  • 想定は施設(ブース)の入退室管理
  • ToFセンサーを高さ3mに設置し、その下を通る人の動きを追跡
  • 距離画像センサーの検知範囲内をエリア分け(1、2、3、4)による人流の正確な追跡

今回用いた人流カウントソフトでは「エリア1→2→3→4」を移動した人物のみを入室者として管理し「エリア4→3→2→1」と移動した人物を退室者としてカウントすることで施設の入退室の人数管理のデモを試みました。

図3は入室の人数管理のデモ風景とソフト画面です。人が「エリア1→2→3→4」と移動した際に、人流カウントの数字がカウントアップします。連続で人が入室しても、問題なく入室のカウントが可能です。また、エリア分けによる管理が可能なため、手前で引き返した場合「エリア1→2→1」は入室とカウントしないため、正確な入室者の人数管理が可能です。

入室者管理デモ

図3:入室の人数管理のデモ風景とソフト画面

退室の人数管理のデモ撮影風景が図4になります。「エリア4→1」と移動する人物を退室者とカウントすることで、施設内に残っている人数の管理が可能です。

退室者管理デモ

図4:退室の人数管理のデモ撮影風景

人の動きを正確に追跡しているため、横並び・駆け足・すれ違いの場合でも入退室の正確な管理が可能です(図5)。また、当社の人流デモソフトでは背景除去機能が搭載されているため、障害物がある場合でも人の動きの正確な追跡が可能です。

図5:横並び(左)、駆け足(真ん中)、すれ違い(右)の撮影風景

図5:横並び(左)、駆け足(真ん中)、すれ違い(右)の撮影風景

今後の取り組み・展望

施設の人流・物流の管理だけではなく、移動体への搭載にも当社は取り組んでいます。現状の展望はToFセンサー技術と自動車ランプで培った配光技術を組み合わせた短~長距離のセンサーシステムの構築です(図6)。現状のターゲットは自動車、農機、建機、走行ロボットです。乗り物の自動化の達成は産業界で最も注目されている分野と言っても過言ではありません。そのため競争が苛烈な分野ですが、当社の炎天下でも動作可能なToFセンサー技術や重要保安部品メーカーとして培ってきた安全への妥協なき追求心を持って、産業界のIoT推進の一翼を担う所存です。

図6:今後のセンサーシステム構築の展望の概略図(ToFセンサー+MEMSデバイスの組み合わせ)

図6:今後のセンサーシステム構築の展望の概略図(ToFセンサー+MEMSデバイスの組み合わせ)

パートナーと連携しエンドユーザーが必要とするデザイン性、機能性を柔軟かつ精密に実現し、最適な形でご提案させていただきます。

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