産業用IoT向けインタフェースモジュール USB接続モデル「Cool USBs 」新登場
インタフェースのエッジコンピューティング
IoT化が進む産業分野や社会インフラで、センサーやアクチュエーターの近くに設置できるエッジコンピューターの需要が高まっております。小型で耐環境性の高い、現場設置に適したインタフェースのSuperCDとCool USBsの組み合わせをご提案します。
はじめに
IoT技術の高度化により、産業分野においては、工作機械の動作状態、現場で稼働する車両や機器の状態など、社会インフラにおいては屋外に設置される設備の状態など、測定するだけではなくその認識や障害検出をその場で行うエッジコンピューターの必要性が高まっております。これらは、既存の設備や環境にあとから設置されることが多く、狭いスペースへの設置や、周囲温度や振動の条件が厳しい環境への設置を考慮する必要があります。一方で、音声や画像解析を伴う処理に必要十分な計算能力確保のため、PCベースコンピューティングが第一選択となります。
産業用PCは連続運用性や長期保守が考慮され、エッジコンピューティングに利用できるものもありますが、接点入出力やアナログ計測などある程度の入出力点数を確保するためには、拡張スロットに入出力ボードを実装する形式となり、設置に必要な容積が大きく、排熱への考慮が必要となり、この用途に適しているとは言えません。また、昨今のコンピューターアーキテクチャーからは、入出力拡張のための拡張スロットが削減される方向に推移しております。
インタフェースのSuperCDは、名刺2枚サイズのコンパクトな形状ながら、Windows/Linuxを稼働させる能力を持つ耐環境性の高い産業用パソコンで、エッジコンピューティングに最適なものです。単体としてのSuperCDはLANポートが2個(DC電源モデル)〜3個(PoE受電モデル)あり、産業用ネットワークへの接続に十分な能力をもちますが、センサーやアクチュエーターに対する入出力の拡張性に制限がありました。これを解決するために、SuperCDに入出力機能を拡張する小型リモートI/O装置である、インタフェースモジュールUSB接続モデル「Cool USBs」を開発いたしました。
図1:置き換えイメージ
設置性、接続性
この製品は、SuperCDなどエッジコンピュータのUSBポートに接続する入出力装置(インタフェースモジュール)です。SuperCDと同様名刺2枚サイズ、厚さが30mmで省スペース、DINレール取り付けやスタック設置が可能であるなど、スペース効率の良い設置が特長で、SuperCDとの組み合わせが最適です。
図2:取付例
Cool USBs側のケーブルはネジ止めできるUSB Type-Cコネクタを採用、USBバスパワーで動作し特別な電源配線が不要です。また、多くの製品では脱着可能なスクリューレス端子台コネクタを採用し、センサーや本体の交換も容易です。
図3:各部名称
図4:COP-1316
図5:ネジ付USBケーブル
耐環境性
可動部のないファンレス設計でありながら、周囲温度−30〜+60℃で動作します。空調の自由度がない建築/土木設備や鉄道車両などへ、温暖地/寒冷地の区別なく設置することができます。同様の特性を持つ、インタフェースの車載CDやSuperCDとの組み合わせで、現場で使えるエッジコンピューティングを実現します。
図6:採用事例
シンプルな共通API
Cool USBsをエッジコンピューターで活用するために用意した新しいデバイスドライバーは、すべての装置に共通化されたシンプルなAPIを提供しますので、流用性が高く効率的なプログラミングが可能です。
簡単なI/O制御なら、3ステップで制御が可能です。
- ①DeviceHandle = UsbioOpen("USBIO0", IFUSBIO_FLAG_NORMAL);
- ②ret = UsbioRead(DeviceHandle, C_226120_DI_1_8, &data);
- ③ret = UsbioClose(DeviceHandle);③ ret = UsbioClose(DeviceHandle)
C_226120_DI_1_8をC_323416_AD1に変更することで、URS-294133のデジタル入力をURS-323416のアナログ入力に変更できます。
豊富な入出力
PCIインタフェースモジュールで培われた入出力回路の信頼性は、Cool USBsにも受け継がれています。定番の入出力である、絶縁型デジタル入出力(スイッチ/接点入力やリレーを駆動)、絶縁型電圧/電流入力(温度センサーなどの入力)、絶縁型電圧出力(モータートルク制御などの出力)、絶縁カウンター入力(ロータリーエンコーダー入力)をラインアップ。また通信系として、絶縁UART(232C/485)や、他に例のないHDLC通信、GP-IB、CAN FD通信製品をリリースします。
製品ラインアップ一覧
更に高度なエッジコンピューティングへ
インタフェースは、産業用ネットワークや無線を活用したリモートI/O装置「Cool IOs」や、産業IoT統合開発環境「AJAN」を開発中です。AJANを元に、Cool IOsやその他の入出力データは統合、共通化され、AJAN言語やソフトウェアPLCによるプログラミングにより高度なエッジコンピューティングを実現できます。またAJANはWeb表示を生成することができ、さまざまなデバイスを用いた「見える化」を実現します。
SuperCDとインタフェースモジュールCool USBsとの組み合わせは、産業分野や社会インフラの現場において、Windows/Linuxを用いた省スペースで耐環境性の高いエッジコンピューティングを実現します。今後の製品展開に、ぜひご期待ください。