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デジタルツイン - シーメンスが考える競争力強化のための装置設計のデジタル化

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装置メーカーがグローバル市場で勝つための次の一手とは

デジタル化動向

製造業が直面している課題

今、製造業では顧客の要求がさらに複雑化しており、食品業界では顧客に応じて個別化された容器包装や、薬品業界では患者一人一人に合わせた薬、自動車業界では顧客の好みに対応し、何万通りという組み合わせの中から自分だけの車を選ぶことでその価値を提供しています。このような大きな変化の中で、製造業では従来のモノづくりや、従来の現場の改善活動だけでは、競争力を維持することが難しくなってきています。製造業に求められている競争力強化のポイントとして以下の5点が挙げられます。

  • 顧客要求への対応
  • 開発期間の短縮
  • 品質改善
  • コストの最適化
  • サポート体制の確立

これらの項目を強化するために、「デジタル化」を活用した業務プロセスの見直しや業務の効率化、新たなサービスの付加価値の提案が求められています。 また、昨今はIT業界が製造業にも進出してきており、デジタル化はこれまでのビジネスモデルを大きく変えるものになってきています。もはやこのデジタル化の波は製造業にとって避けては通れないものであり、我々はデジタル化を活用した新たなビジネスモデルへの挑戦に直面しています。

今後はデジタル化への対応が他社との差別化となり、付加価値を生み出すものとなるのです。

シーメンスが考えるデジタル化

デジタル化とは

デジタル化の活動は単にアナログデータをデジタルに置き換えるものではありません。デジタル化とは、デジタルツールを活用して机上での設計や計画と、実際の製品や設備、パフォーマンスとのギャップを無くし、プロセス全体の最適化を図るものです。つまり、部署ごとにそれぞれのカイゼンを追い求めるのではなく、業務プロセス全体に目を向け、各業務プロセスをシームレスにデジタルで繋いでいくことが求められています。

業務改善を加速させるためのデジタル化

デジタルツイン

シーメンスが提案するデジタル化ソリューションがデジタルツインです。デジタルツインは「デジタルツイン・プロダクト」「デジタルツイン・プロダクション」「デジタルツイン・パフォーマンス」の3つで構成されています。

「デジタルツイン・プロダクト」は、メカニクス、電子装置、ソフトウェア管理などを含むマシンをデジタルで設計し、実際のPLCプログラムと連携をさせながらシミュレーション、そして検証を行います。バーチャルマシンを使って事前に検証することで、設計変更や手戻りを最小限に抑えることができます。

「デジタルツイン・プロダクション」は、バーチャルの環境でプランニングし、PLCプログラムを使ってシミュレーション、コミッショニングまで行うことで、バーチャル環境で生産ラインの検証を事前に行い設計および生産の最適化を図るものです。

「デジタルツイン・パフォーマンス」は、実際の製造ラインおよび製品からの品質およびパフォーマンスと、バーチャル環境を比較し、そのギャップを埋める取り組みです。現場からのフィードバックは部署間を超えて、一貫したデータ連携を基に製品設計、装置設計まで反映することで、品質改善や、業務の効率化を実現できます。

シーメンスの考えるデジタルツイン

シーメンスはデジタルツインを単純にリアルのマシンをデジタルのマシン(仮想)として用意することに留めず、全ての機械のコンセプト、機械の制御設計・立ち上げや製造・捕手に至るまでデジタルで繋ぐ(融合する)ことと考えています。

動画で解説「シーメンスの考えるデジタルツインとは」

シーメンスが考えるデジタルツインについてインタビューをしました。

装置設計のデジタルツイン

装置設計のデジタル化

装置設計のデジタル化とは、これまでの業務のやり方を大きく変える、いわゆる業務改善です。デジタルツインを活用することで、業務間のギャップを無くし、プロセスを最適化することで開発期間の短縮を実現します。

装置設計のプロセスは、システム設計から始まり、コンセプト設計、詳細設計、コミッショニングとつながっていきます。一般的に、詳細設計の部分は、機械設計が終わった後に電気設計、その後に制御設計という流れで、業務プロセスは段階的(シリアルな設計)となっています。このような場合、部署間で十分なデータの受け渡しができず、幾度も手戻りし、設計の見直しが発生してしまうという状況が多く見受けられます。結果、開発期間が計画以上に伸びてしまい、納期に間に合わせるため、制御設計や実機での立ち上げ作業にしわ寄せが来てしまうという悪循環に陥ってしまいます。これを解決するには、業務のやり方から抜本的に変えていく必要があります。

これからの装置設計のあり方

シーメンスはこのような課題を解決するために、デジタルツインを活用した新たな装置設計を提案しています。これまでの段階的で「シリアル」な設計に対して、設計の早い段階から機械、電気、制御設計を「パラレル」に開発することで、手戻りの少ない設計を実現します。 例えば、機械設計がPick&Place(P&P)を0から設計する場合、そのモデルを作成してバーチャル環境で動作させることでマシン構成を検証します。次に、P&Pのモデルと制御プログラムを連携させてシミュレーションすることで、機械と制御の検証を同時に行うことができます。加えて、P&Pの動作にサーボモーターの特性を合わせてシミュレーションすることで、電気品の検証を機械、制御と合わせて同時に行うことができます。さらに周辺機器と組み合わせながら、この過程を繰り返し検証することで、完成度を少しずつ上げながら設計ができるようになります。

このように機械、電気、制御設計を「パラレル」に進めることにより、設計が終わるころには大部分を机上で検証することができ、現場での調整を最小限に抑え、すぐに装置を立ち上げることができるようになります。

このような「パラレル設計」は手戻りや設計の不一致を無くし、結果的に開発期間の短縮を実現します。

デジタルツインを活用した新たな装置設計

装置メーカー様向けソリューション

シーメンスでは装置設計のコンセプトから設計、立ち上げ、製造、保守までの装置メーカー様向けのデジタル化ソリューションを提供しています。

バーチャルコミッショニング

バーチャルコミッショニングに取り組むにあたり、重要なことは設計の標準化です。標準化がなければ、一意的なコミッショニングしかできず、バーチャルコミッショニングのメリットを十分に得ることができません。

バーチャルコミッショニングは、

  • ①機能レベル(プログラムデバック)
  • ②機能やマシンの組み合わせ(物理現象、サイクルタイム、同期制御)
  • ③ラインやプラント全体(タクトタイム、ロボットパス、レイアウト、生産性)

の3つのシミュレーションで大きく構成され、それぞれ異なる目的で分けられています。

②を実現するソフトウェアは、物理現象をシミュレーションするNX Mechatronics Concept Designer、電気品(アクチュエーター)をシミュレーションするSIMIT、PLCをシミュレーションするSIMATIC S7-PLCSIM Advanced(バーチャルコントローラー)です。

③を実現するソフトウェアも自社で揃えており、シーメンスはお客様の開発業務プロセス全体に対して、デジタル化をグローバルで強力に支援します。

装置設計のデジタル化されたプロセス

動画で解説「シーメンスの考えるバーチャルコミッショニングとは」

動画で解説「シーメンスの考えるインダストリアルAI活用」

動画で解説「シーメンスのマインドスフィアとは」

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