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IoTソリューションでの活用が広がる測域センサー | 北陽電機

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Industry 4.0を実現するために不可欠な技術としてIoTは重要なものとなっていますが、スマートファクトリーに限らず、より生活に近い分野においても、IoT対応製品の開発は非常に盛んに行われており多様な製品が発売されています。

北陽電機はFA(ファクトリーオートメーション)用センサーのメーカーとして70年以上の歴史を持つ企業ですが、ここ数年はIoTソリューションの中で使いやすい製品開発に注力してきました。その代表的な製品として測域センサーをご紹介します。

1. 測域センサーとは

最近LiDAR(Light Detection and Ranging)という言葉を耳にされた方は多いと考えますが、市場でよく知られるきっかけとなったのは、自動運転に不可欠なセンサーとして紹介されたことが大きいと考えられます。北陽電機が測域センサーの商品名で販売している製品も、同じLiDAR技術を使っています。市場で最も注目を集めている自動運転以外にも、LiDARが利用されている分野は非常に多岐にわたっています。

代表的なものでは、サービスロボットや自動搬送台車(AGV)における障害物回避とSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)技術を使った自律移動や、産業ロボット等、工場内の危険エリアへの侵入検知センサー等がありますが、それ以外にも応用事例は年々拡大されています。いずれもIoTソリューションを実現するセンサーとして活用されています。

2.測域センサーの基本原理

測域センサーは、照射したレーザービームと、対象物から戻ってくる反射光の時間差を測定し、演算することで距離を求める光学距離計と、レーザービームの照射方位を制御する光学スキャナで構成されており、このレーザー光の飛行時間から距離を算出するTOF(Time Of Flight)方式を採用しています。

2D測域センサーの構成

上図は代表的な2次元測域センサーの基本構成を示しています。投光レーザーは投光レンズ、投光ミラーを介して前方に照射され、対象物にあたり戻ってきたレーザー光は受光レンズ、受光ミラーを介して、APD(AvalanchePhotoDiode)に集光され、投受光の時間差を計測回路にて演算することで距離データに変換します。この光学機構を中空スピンドルモーターで回転させることで、広い視野角(Field of View)を実現したものが、北陽電機の2次元測域センサーの基本構造です。

測域センサーのスキャン範囲

本製品では上図で示す範囲(270°)で1,081ステップの計測を行い、物体の位置情報(x,y)を計測し、Ethernetインターフェースより出力します。角度分解能は0.25度となります。位置情報がダイレクトに出力されるのでシステムでの負荷が軽くなります。下図にて実際に計測した際のデータ例を示します。

測域センサーの測定データ例

3.IoTソリューションにおける応用事例

測域センサーの使用例として、サービスロボットやAGVにおける障害物検知と回避、SLAM技術による自律移動支援、FA分野では、危険領域への侵入検知、工程におけるワーク検出や位置決め、自動搬送台車(AGV)における衝突回避、走行制御等に広く利用されています。

FA用途以外では、測域センサーのリアルタイム性を活かして、パブリックスペースにおける人数カウントや人流計測用途に利用されています。複数の測域センサーを組み合わせることで、より広範囲で正確な計測が可能となります。システムでは来場者に自動でIDが付与され、リアルタイムで位置情報が出力されます。

人流計測システム設置イメージ

このようなシステムを構築する際は、複数のセンサーからのデータを上位側で制御する必要がありますが、これを行うための測域センサー用コントローラー「RSコントローラ」を販売しています。また、システム設計者が簡単に利用できるようなSDKも提供しており、自由にカスタマイズすることが可能です。RSコントローラはWi-Fiを搭載しており、集計したデータを無線で送信することでIoTソリューションでの用途に活用できます。

人流計測のスキャン画面

さらには、2次元に加えて、3次元測域センサー(北陽電機ではYVT-35LXとして販売中)を組み合わせることにより、死角が少なく、垂直方向の情報(身長等)や形状もデータとして取得できるシステムにも展開可能であり、工場内の人の動きをモニタリングするような用途にも展開が可能です。

3D測域センサーを使った展開例

4.今後の展望

既に幅広い分野で測域センサーが利用されていますが、今後も応用分野はさらに広がる可能性があります。今後の期待される分野としては、従来の屋内でのソリューションに加えて、建設機械、農業機械、港湾クレーン等の屋外でのソリューションがありますが、いずれも厳しい使用環境条件に対応できるセンサーが必要となります。そのため、北陽電機では、本年より屋外の厳しい環境(気温、太陽光、雨、霧等)でも十分な性能を出せる屋外対応の新製品を順次発売し、さまざまな用途に対応できるラインアップを拡充していく計画です。

わが国では、Society 5.0で目指す、より豊かな超スマート社会を実現すべくさまざまなテーマで多くの企業が活動していますが、北陽電機でも、その一翼を担う技術として、測域センサーの開発に取り組んでいきます。

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