現在製造業においてIoTを活用した設備の自動化や省エネ・省人力化が注目されています。そのような中、山洋電気は業界初のIoT 製品 「San Ace コントローラ」をリリースしました。 実は山洋電気ではファンをコントロールする機器という意味では、すでに「PWMコントローラ」をリリースをしています。それはファンの回転数を制御する信号を発信する製品となっています。

San Ace コントローラがPWMコントローラと比べ大きく異なる点は、周囲環境をセンシングしながら「自動的」にファンをコントロールできること、そしてネットワーク接続でモニタリングや計測データを容易に分析できることです。

お客様がSan Ace コントローラを導入することで、ファンの自動制御による装置の省エネ化や、遠隔監視による工数削減、アラーム機能による予防保全が可能になります。

San Ace コントローラの概要

San Ace コントローラはファンを４台まで制御でき、個々のファンの回転速度を調整しながら、最適な風量・静圧に設定できます。また、センサの計測値を取り込み自動制御できるので、装置の低騒音、省エネルギーに貢献します。さらに、クラウドサーバーを経由して、遠隔監視・遠隔制御できるので、装置の異常検出や予防保全など、お客様の装置にあらたな価値を付加できます。

住宅換気、熱交換器、空調機器、植物工場などの温度・湿度・気圧の自動制御、および、基地局、産業機器、サイネージなどの装置の予防保全を実現します。

機能・特長

San Ace コントローラの機能は「監視」「自動制御」「手動制御」の３つとなります。この３つの機能により、予防保全、低騒音化、省エネ化を実現します。

1.装置の予防保全（IoT化）

お客様の装置の熱トラブルを回避し、メンテナンスの手間と費用の削減に貢献する機能を備えています。

• お客様の端末に簡単に接続できます。（無線LAN／有線LAN）
• お客様の端末から、ファンやセンサの状況を遠隔監視できます。
• お客様の端末から、ファンの回転速度を遠隔制御できます。
• 各種センサの異常値を検出し、アラームを通知できます。
• ファンの累積運転時間や各種センサの計測値の履歴をクラウドに保存し、活用できます。

2.自動ファンコントロールで低騒音・省エネ化

装置内の環境情報の変化によって、自動でファンの回転速度を可変し、低騒音・省エネルギー化が図れます。遠隔地からPCやタブレット等の端末で設定ができるうえ、アラーム発生のセンサ閾値も設定できるため管理が容易になります。

• 温度・湿度・気圧などのセンサ計測値を取り込み、設定条件に応じて自動制御します。
• 冷却や換気を効率化し、お客様の装置の低騒音、省エネルギーに貢献します。

3. 手動制御で複数ファンの最適設定

従来は、それぞれの用途に応じて複数台のファンを選定し評価する必要があり、フル回転で使用する場合オーバースペックになることが多くみられました。

San Ace コントローラでは…

• 最大4台までのファンを接続することができ、それぞれのファンの回転速度を任意に設定できます。
• 複数台のファンを用いる装置では、個々のファンの風量・静圧を最適化できます。

事例紹介

サーバーラックの監視

本社のIT責任者が支店にあるサーバーラックの温度や、ファン稼働状況を遠隔で制御・監視することができます。温度やファンの異常時にはアラームメールで知ることができます。

気圧や温度の調整

湿度センサや圧力センサとリバーシブルフローファンを組み合わせ、室内外など、2つの空間の圧力や温度を監視しながら吸気と排気を自動・手動で制御することで、室内の気圧や湿度の最適化に貢献できます。

装置の冷却評価

装置の開発時に、センサの値を見ながら最適な回転数を設定することができます。複数種類のファンを用意することなく、PWMコントロール機能付のファン1台に統一でき、選定・評価時間を短縮できます。

最後に

山洋電気は今後も市場のトレンドやお客様のニーズをいち早く汲み取り、IoT技術を活用したものづくりを行っていきたいと考えています。

今後も、山洋電気はお客様の装置に付加価値をプラスする製品やサービスを提供しつづけますので、ぜひご期待ください。