IEC62443制御システムサイバーセキュリティと人材育成

これまでは、重要インフラ設備および工場の生産システムをサイバー攻撃から如何に守るかという課題に対し、国際標準規格IEC62443が制御システムセキュリティ対策基準を提供してきました。さらに現在では、サイバー攻撃後に自動的に復旧する能力（サイバーレジリエンス）が求められています。

これらの状況を鑑みると、設備や生産システムを維持管理しているオーナー企業は、設備供給メーカーやエンジニアリング会社に対し、これまで以上に厳しいセキュリティ要件を求めることになるでしょう。しかし、エンジニアリング会社やシステムインテグレータ、制御装置設計者、制御製品開発者のセキュリティ実務能力は、現状ではまだ十分ではないのではないでしょうか。

株式会社ICS研究所は、その実務能力を高めるために2015年に創設された会社です。ICS研究所の人材育成プログラムは、企業における人材教育記録を単に埋めるだけでなく、実務に即した内容であるため高い評価をいただいております。次に挙げるような国際標準規格への対応、各国の市場における法令や基準への対応、産業界ごとのセキュリティ対策の業界規格への対応など、多角的な視点を持った人材の育成にご興味のある方は、ぜひ高木商会にご相談ください。

各国のサイバーセキュリティ規格と市場動向

情報システムに要求される国際標準規格ISO/IEC27001-2022では、従来の情報システム管理に加え、サイバーセキュリティや情報セキュリティ対策を継続的に維持管理することを求めています。制御システムに要求される国際標準規格IEC62443は、相次ぐサイバー攻撃手法の高度化と複雑化に対応するため、2018年以降、基準レベルが順次引き上げられています（IEC62443-1-5-2023では自動制御に求められるセキュリティ基準の解説が追加されています）。

EU市場では、NIS指令で重要インフラ産業を対象に、NIS2指令で一般産業の工場を対象に工場審査が始まっており、機械規則やAI法、サイバーレジリエンス法の制定と執行により、CEマーキング取得条件が強化されています。米国市場では、米国国防総省が策定したCMMC制度により、防衛産業はサイバーセキュリティの第三者認証取得が義務付けられており、一般産業でもサプライチェーンのサイバーセキュリティおよびサイバーレジリエンスの要求がますます高まっています。

各業界におけるサイバーセキュリティの必要性

船舶業界においては、相次ぐサイバー攻撃被害により、船舶および港湾施設に対するサイバーセキュリティおよびサイバーレジリエンス要求が高まっています。

航空機業界においては、航空機、空港施設、航空機製造およびサプライチェーンでのサイバーセキュリティおよびサイバーレジリエンス要求が高まっています。

半導体製造業界においては、半導体製造装置から半導体製造管理システムおよびサプライチェーンにおけるサイバーセキュリティおよびサイバーレジリエンスの要求がこれまで以上に強く求められています。

サイバーセキュリティ人材の育成の重要性

企業がCSIRT（コンピュータセキュリティインシデント対応チーム）やPSIRT（製品セキュリティインシデント対応チーム）の組織を設立し、それらが実働していくためには、フォレンジック調査（原因、経緯調査、証拠収集など）の実施能力や、その分析能力を持った人材育成が必須です。

また、ISO/IEC27001-2022やIEC62443の認証取得から維持管理を行うためには、社内の内部監査要員が国際標準規格とその実務を理解する必要があります。その組織の人材育成と実務能力評価を企業は実施する必要があります。

ICS研究所が提供するサイバーセキュリティ人材育成4つのプログラム

株式会社ICS研究所は、短期間でサイバーセキュリティ人材を育成する4つのプログラムをを提供しております。

• オンデマンドビデオ講座eICS
• 制御システムセキュリティ実務能力検定
• リモートセミナー・研修
• 人材育成コンサルティング

関連リンク

• ICS研究所（www.ics-lab.com）