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ロボットシステムでのIoT活用事例—立花エレテック

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経済産業省が2016年末に実施した人材確保の状況に関する調査によると、現在の国内製造業で顕著にみられるのが、人材不足の問題です。調査した企業の8割が課題だと認識しており、約2割がビジネスにも影響しているとの認識です。この人材不足対策として、現在は半分以上が「定年延長などによるベテラン人材の活用」という一時的な対応策で乗り切っていますが、今後の対策としては「ロボットなどの導入による省力化」「ITの活用などによる効率化」に取り組むとした企業が合計4割を超え、ロボットやITを活用した合理化・省力化が必須となってくると思われます。

このような状況の中、当社では、ロボットシステムとIoTシステムを融合させた「箱詰め自動化工程のIoT活用ミニモデル」としてJAPAN PACK2017(2017日本国際包装機械展)に出展いたしました。このシステムにて“ロボットシステムでのIoT活用”について説明いたします。

ロボットシステム

ロボットシステムでは、複数ロボットメーカーを取り扱う商社として、各メーカーの長所を理解してお客様のニーズにマッチしたロボットを選定し、システム構築を行っています。また、特殊な物を掴むことや特殊な並べ方に対応する際は、ロボットの特殊ハンドを設計し対応しています。カメラやセンサー等のロボットから発信される情報をIoT情報として、PLCに蓄える仕組みも併せて構築することができます。

ロボットシステム全体

今回出展したロボットシステムのポイントは以下の3点です。

ポイント1:複数のロボットメーカーを扱う商社として、各社の特長を活かした作業分担で箱詰めシステムを構築

各ロボットメーカーの得意部分を活かし、画像処理との連携を含めたロボットプログラムも社内開発し、ライン構成を行っています(下表参照)。

特にYuMi、duAroなどの双腕協調ロボットを使用することにより、人の動きに近く、人との協同作業を実現できるシステムです。

ロボットメーカー ロボット作業内容
三菱電機社製
RV-4F
リターンコンベア上の箱詰めされたワークを吸着して、ワーク供給コンベアにワークを供給する。
ABB社製
YuMi
ワーク供給コンベアに流れてくるワークをカメラで認識し、ワークを吸着しハンドのカメラでワークの製造情報をQRコードで認識する。
認識したワークを箱詰め治具の所定の位置に入れ、全ての位置にワークを入れ終わったら、箱詰めされたトレイをリターンコンベアにのせる。
川崎重工業社製
duAro
トレイ上に箱詰め治具とシャッターを重ねてセットし、YuMiのワーク挿入を待つ。全てのワーク挿入が完了したら、シャッターだけを引き、ワークをトレイに落とし、箱詰めする。

ポイント2:食品系を含めた自動化において効率的な箱詰めができるハンド・治具開発も含めたロボットシステムを実現

今回の対象は、洋菓子で下図1のように斜めに重なった状態で箱詰めを行う必要がありました。それに対応するために図2の箱詰め治具を設計、製作し、双腕ロボットにてワークを吸着して、箱詰め治具に挿入し、最後にトレイに払い出す仕組みを実現しました。

今回の箱詰め治具以外にも、柔らかい物を掴むハンドやワークを複数掴み箱詰めするハンドなどをお客様の要求に合わせて設計しています。

効率的な箱詰めができるロボットシステム

ポイント3:ビジョンカメラと連携したロボットシステムでワーク判別とIoT化を実現するための情報収集

ビジョンカメラとロボットとも当社だけで機種選定、開発、納品、保守までできることから、シンプルなシステムの実現が可能です。今回はワークの方向と色を判別し、複雑なロボット制御を容易に実現しています。また、YuMiのハンドに取り付けられているカメラにてワークについたQRコードを読み取り製造実績情報を収集してるので、後述するIoTシステムに活用できます。

IoTシステム

今回出展したIoTシステムは、コンテック社製M2Mゲートウェイ「CONPROSYS®(コンプロシス)」を利用し、三菱電機社製PLCに集めたロボット情報を読み出し、データの見える化、制御、クラウドへのデータ転送を簡単に実現しています。稼働状況の見える化は、ウイングアーク1st社製BIツール「MotionBoard」を採用し、PLCから三菱電機社製MESインタフェースユニットを介して直接BIサーバーに稼働情報を書き込むことで実現しています。

IoTシステム構成図

ポイント1:装置状態の見える化による迅速なトラブル対応

センサーやコントローラー、コンベア等装置の情報をPLCからM2Mゲートウェイで常時収集し、異常状態をタブレットに表示します。「装置状態を見える化」することで、異常箇所を特定、修復方法をナビゲートすることができ、保全作業の効率化が図れます。

表示例

ポイント2:クラウドで製造実績の見える化によるトレーサビリティの強化

ワークには製造情報としてQRコードが印刷されており、ロボットがハンドリングした際にハンドカメラにてQRコードを読み込み、製造実績情報としてPLCに蓄えられます。この情報をM2Mゲートウェイにてクラウドに蓄積することで製造実績のトレーサビリティ情報を生成します。これにより、工場以外のどこからでもインターネットを介して製造実績を追跡することができます。

製造実績表示

ポイント3:稼動状況の見える化による稼働率の向上と予防保全

ロボットの稼働情報をPLCからMESインタフェースユニットを介して直接BIサーバーのデータベースに書き込むことにより、稼働率、進捗(計画数、実績数、進捗率など)やガントチャートをBIツールで表示できます。収集したデータを元に多面的に分析を行い、ダウンタイムの短縮、稼働率向上や予防保全などの現場改善に活用できます。

BIツール表示

当社では、今回のシステムのようにロボットからIoTまでワンストップでご提供することできます。商社機能を活かし、色々なメーカーの製品を使用してお客様のニーズにマッチしたシステムを構築できます。また、制御系システムではM2M、情報系システムではクラウドやBIツールなどに注力し、今後お客様が進めるIoT化の力になれるよう努めます。

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