2018年11月26日

IDEC Compact IoTによる遠隔監視ソリューション

近年、働き方改革や労働人口の減少に対応するため、業務の効率化が求められています。また、装置・設備の販売のみならず、付加価値サービス提供によるビジネスモデルも注目されています。本稿ではMICROSmartシリーズFC6A形プログラマブルコントローラー（以下、FC6A形）が持つIoT化機能を活用した設備・装置の遠隔監視ソリューションについてご紹介いたします。

FC6A形の活用

FC6A形は装置・設備のIoT化を実現するさまざまな機能を備えております。IDECはこれらの機能を活用することで、お客様の業務の効率化や新たなビジネスの創造に寄与するものとしてIDEC Compact IoTによる遠隔監視ソリューションをご提案します。

IDEC Compact IoT

装置・設備のメンテナンス要員不足やメンテナンスコストの増大といった課題を解決するために、IoTを活用したいといったご相談が多くあります。しかしながら、クラウドサーバーやアプリケーションソフトなどを含めた遠隔監視システムの構築を実現するには技術的難易度が高く、また、導入費用においても相応の工数とコストが必要となり、実証実験でさえもなかなか容易に進まないという課題があります。

この課題に対して、少ない初期投資で装置・設備の遠隔監視を可能とし、業務の効率化・メンテナンス費用の削減を実現するIDEC社のCompact IoTは最適です。

Compact IoTスターターキット

Compact IoTスターターキットはFC6A形の他、LTEモバイルルーターとSIMカードがパッケージ化されており、6か月間のLTE回線使用料が無料となっておりますので、このスターターキットだけで装置・設備における遠隔監視の実証実験を行う機材がそろいます。

また、LTE回線を使用しますので、お客様の社内LANに接続していただく必要がありません。このため、既設の装置・設備や社内のネットワークに影響を与えず、遠隔監視を実現することができます。

なお、グローバルIPアドレスが割り振られておりますので、外部から直接FC6A形にアクセスすることが可能です。

スターターキット特長

遠隔監視のための提案

1. e-mail通知機能

装置・設備の稼働データに異常が発生したり、警告灯が点灯した場合にe-mailが送信されるように設定が可能です。また、この際、異常の原因や異常が発生した際の機器の状態をメール本文に含めることができますので、迅速に状況の把握が可能となり、効率的に対応することができます。

2. Webサーバー機能

FC6A形のWebサーバー機能を使用すれば、装置・設備の状態を遠隔地から汎用のウェブブラウザーを使ってグラフィカルに確認ができますので、設置場所まで行くことなく、設備の状況が把握できます。

また、これまでは現場での作業が不要な場合であっても、設備の状態を把握するために現場まで赴かなくてはならず、メンテナンスコストが増大するという課題がありましたが、Webサーバー機能を使用すれば、現場での作業が必要かどうかを手元で確認ができますので、移動コストを低減させることが可能となります。

3. 動作ログによる原因分析機能

装置・設備の異常が発生した後で故障原因を調査しても原因を掴むことが困難な場合があります。装置・設備の稼働情報をFC6A形に挿入したSDカードに保存しておくことで異常時の発生要因や経緯を履歴データとして活用することができ、効率的な分析が可能となります。この履歴データはCSVファイルとしてFC6A形にセットされたSDカードに保存されます。故障原因の調査を行う際にはこのデータを現場で直接取り出していただくか、FTP機能によって遠隔地から取得することも可能です。

遠隔地からFTP機能によって取得できれば、故障原因の解析を行うために現場に赴く必要が無く、履歴データの取得も迅速にできます。また、故障原因が明確になった状態で修理を行うため、修理する段階で、部品が不足し、再訪問するといった問題も回避でき、メンテナンスコストの削減とサービスの向上が見込めます。

FC6A形がさらに進化 FC6A形 Plus新登場

昨年10月に発売を開始したFC6A形 Plusは、従来機種と比較して、Bluetooth、Ethernetなどの通信機能や基本性能を強化しました。FC6A形 Plusが新たにラインアップに加わることで、遠隔監視・操作をはじめとするIoT（モノのインターネット）化への対応を幅が広がり、より容易にIoTを実現できるようになりました。