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PLCとは③ - PLCの入出力について

Product Search(プロダクトサーチ)

デジタル信号入出力(DIO)

PLCでは入力部から受け取った信号を演算し出力部から出力します。入出力するのは、主にデジタル信号とアナログ信号になります。

PLC入出力図
M221の例

デジタル入力

デジタル信号をPLCに取り込むには、押しボタンスイッチ等の入力機器をPLCと接続します。信号の取り込み方(回路)には、シンク型/ソース型がありますが、配線で切り替えることができるので、デジタル信号の入力タイプは特に選定段階では、こだわる必要はありません。

それより重要なのはデジタル信号の出力方式です。

例:入力タイプは配線で「シンクタイプ」または「ソースタイプ」に切り替えます(TM221CE16U)

入力タイプ

デジタル出力

PLCの出力部の回路として、リレー出力、トランジスタ出力があります。また、トランジスタ出力には、「シンクタイプ」と「ソースタイプ」があります。使用目的や使用地域を考慮して、出力タイプを決め、機器(型式)を選定します。

M221型式選定例

リレー出力

機械的な接点により、ON/OFFします。直流負荷でも交流負荷でも扱うことができるため、盤外とのやり取りによく使われます。機械的な接点のため、ON/OFFの速度は遅いです。また、流すことのできる電流は数アンペア程度です。

トランジスタ出力

半導体素子により、直流負荷をON/OFFします。流すことのできる電流は数10mA程度とリレーより小さくなります。また、ON/OFFの切り替えは、高速で行うことができます。

リレー出力とトランジスタ出力の違い

リレー出力とトランジスタ出力の違いを表にまとめました。

出力方法 リレー出力 トランジスタ出力
できること ビットアドレスのON/OFFができる(スイッチ)
方法 機械的な接点によってON/OFFをする トランジスタと呼ばれる半導体素子でON/OFFする
種類 - シンク(NPN) ソース(PNP)
マイナスコモン プラスコモン
寿命 短い 長い
電流値 数A(アンペア)程度 数10mA(ミリアンペア)程度
負荷の種類 DC(直流)/AC(交流)
どちらもOK
DC(直流)のみ
応答時間 遅い(100ms単位) 速い(数ms単位)
主な使用地域 全世界 日本・アメリカ ヨーロッパ
チャタリング あり なし
※一般的なリレー出力とトランジスタ出力の違いです。PLCメーカーやシリーズ、型式によって仕様は異なる場合があります。

アナログ入出力(AIO)

圧力・流量・水位・重量などの連続する値はアナログ値です。このようなアナログ値をPLCで入出力する方法について説明します。

アナログ入出力ユニット

PLC内部では「0」「1」のデジタル信号だけを処理(演算)しています。 したがって、PLCではアナログ値を電圧または電流の信号として取り入れ、デジタル信号に変換しPLC内部で処理します。また、デジタル信号を電圧または電流のアナログ信号に変換し出力もします。

そのための「アナログ信号↔デジタル信号に変換するユニット」を総称して、アナログ入出力ユニットと呼んでいます。

アナログ入出力ユニットには下記の二つがあります。

  • A/D変換ユニット( Analog to Digital Converter):アナログ信号をデジタル信号に変換し、PLCに取り込みます。
  • D/A変換ユニット( Digital to Analog Converter):デジタル信号をアナログ信号に変換し、出力機器に出力します。
A/D D/A変換ユニット

アナログ信号を入出力する際の留意点

アナログ信号を入出力する際は「アナログ信号の種類」と「分解能」の二つに留意する必要があります。

アナログ信号の種類

アナログ信号の種類には、電圧信号と電流信号があります。伝送距離や環境等に応じて使い分けるのが通例です。電流信号は、ノイズに強いため長距離伝送に向いています。

また、よく使われる入出力範囲は、 0-10V(電圧信号) 4-20mA(電流信号)、0-20mA(電流信号) です。 0-10Vの意味は、入出力の範囲が0Vから10Vの範囲で入出力されるということです。また、4-20mAでは、通電時は常時4mAが流れており、断線すると4mAではなく、0mAになり断線検知ができるためフェイルセーフに優れています。

電圧信号と電流信号の違い

  電圧信号 電流信号
入出力範囲 0-10V 4-20mA 0-20mA
伝送距離
(入出力機器との距離)
近距離(盤内程度の配線) 遠距離(数10m以上)
耐ノイズ性 弱い 強い
価格 安価 高価
特長 - 断線時には0mAになるため、断線を検知できる。 -

入出力範囲は、上記以外にも「0-5V」「-10-10V」等があります。

分解能

分解能とは、アナログ信号をデジタル信号に変換する際に、どの程度の細かさで表現するかです。一般的には、「分解能:10ビット」「分解能:12ビット」というように表されます。分解能が高いほど、細かく区分することなり、アナログ値をより正確にデジタル値に変換できます。なので、大きな範囲の値を細かく取りたい場合は、より高い分解能が必要です。(10ビットより12ビットの方が分解能が高く、細かく表現できます)

A/D変換ユニット

一般的な分解能の比較

一般的な分解能の比較

アナログ信号に電流信号と電圧信号が混在する背景

センサーなどで生じる信号は電圧信号が多く、もともとは電圧信号が主流でしたが、ノイズに弱く、伝送距離が短いという問題がありました。そのため、ノイズに強く、伝送距離が長い電流信号が使用されるようになりました。また、そのような理由から、IEC(国際電気標準会議)でも、4-20mAを使用することが推奨されています。

高速カウンターユニット(パルス入力ユニット)

PLCを用いての制御は、応用の範囲が大幅に広がっています。そのため、入出力ユニットに特別な機能を持たせた特殊ユニットが豊富にあります。PLCメーカーによって、呼び名(高機能入出力ユニット/特殊ユニット)が違ったりしますが、主にDIOユニット以外のユニットを指すことが多いです。

高速カウンターとパルス入力

パルスというのは、「脈拍」という意味で、1回の鼓動のことを1パルス(PLS)と考えてください。デジタル信号でいうと、ONから次のONまでのことです。高速カウンターユニットでは、高速でドキドキする鼓動(パルス)を数えることができます。なので、高速カウンターユニットのことをパルス入力ユニットと呼ぶこともあります。

また、PLCによっては高速カウンター回路を内蔵しているものもあります。

パルス信号の説明

なぜ、パルス信号をカウントするのに、通常のデジタル入力でなく、高速カウンターユニットが必要かというと、 PLCは、「⼊⼒処理 → 演算処理 → 出⼒処理」を繰り返し実⾏しており、1サイクルの時間をスキャンタイムと呼んでいます。1スキャンする間に、パルス信号が何度もあると正しくカウントすることができません。

※正確に言うと、通常のデジタル入力(カウンター命令を使用)では、2スキャンで1パルスしか取り込めません。

通常のデジタル入力ユニットではカウントできない

高速カウンターユニットを使用すると、MPU演算部のスキャンと関係なく、パルス信号を受け取りカウントしてくれます。そうして、カウントした数値は、指定した定数に達するごとに、MPU演算部に信号で伝えます。

  • ひたすらパルス信号を受取りカウント
  • 定数に達するとMPUに信号を出力
  • MPUで計測した値を受け取る

ちなみに、カウントするのは主にエンコーダと言われるセンサーで取得したモーターの回転数(角度/位置)です。

高速出力ユニット(パルス出力ユニット)

パルス信号の出力には、高速出力ユニットを用います。PLCメーカーによってはパルス出力ユニットと言うところもあります。

また、高速出力ユニットの機能を内蔵しているPLCもあります。このあたりは、高速カウンターユニット(入力)と同じですね。高速出力ユニットとは、いくつかのパルス信号を、一塊として出力するユニットです(ひと続きの波を出力すると考えてもOKです)。

パルス信号の塊(ひと続きの波)は、「パルス幅変調(PWM)」「パルス列」等に分類され、受け手側の機器(モーター等)の仕様等にあわせます。

高速出力ユニットの説明

なぜ、パルス信号の出力では、通常のデジタル出力(DO)ユニットでなく、高速出力ユニットが使われるかと言うと、高速カウンター(入力)同様、PLCは、⼊⼒処理 → 演算処理 → 出⼒処理を繰り返し実⾏しており、1スキャンする間に信号を何度も出力することができません。高速出力ユニットを使用すると、MPU演算部のスキャンと関係なく、いくつかのパルス信号を一塊(ひと続きの波)として出力することで、高速にON/OFFさせることができます。

高速カウンターや高速出力は、 (モーターの回転数(角度/位置)を制御することで)目標の位置でピタッと止める(位置決め)をする搬送機(マテハン)、包装機などで多く使用されています。

リモートI/O

入出力ユニットをPLCに直接、取り付けるのではなく、「遠く離れた入出力ユニット」と「PLC」を一本または数本のケーブル(省配線)で接続する方法で、そのためのユニットをリモートI/Oユニットといいます。

PLCと直接接続
省配線化
リモートI/Oを使った接続

リモートI/Oはどこで使用する?

  • 制御盤(PLC)と数十メートル以上離れた遠い所にI/O機器があるような現場
  • I/O機器が分散されて配置されているような現場

リモートI/Oを使わないと?(PLCから直接接続すると)

  • I/O機器の数だけケーブルが必要なため、配線が混雑して作業は大変になる
  • 業者に依頼すると工事費がかかる
  • 大量のケーブルを束ねることになるので誘導障害が起こる。本来、電流が流れていないはずの場所で電流が流れて、人に危害を与える。束ねたケーブルが熱を帯び、火災の原因になる等
  • 大量のケーブルを束ねると電圧降下を引き起こしたり、通信回線にノイズが乗ったりしまう。

リモートI/Oを使うと

  • ケーブルの量を少なくできる(盤内もシンプルになる)
  • 配線の手間を削減できる。 / 工事費が掛からない。または安価になる。
  • 工期を短縮できる。
  • I/O機器を後付けする際に、制御盤(PLC)から配線を取り回す必要がないので、拡張が簡単
  • 誘導障害による事故や災害を未前に防ぐことができる。

「リモートI/Oユニット」の種類

デジタル信号(DIO)またはアナログ信号(AIO)をリモートI/Oで制御することが多いです。 また、入力のみのユニット、出力のみのユニット、入出力複合ユニット、DIOとAIOの両方を兼ね備えたユニットがあります。点数は、8点、16点、32点のものが多く使われているようです(どのPLCメーカーもラインアップは充実しています)

リモートI/Oの通信方式

PLCとリモートI/Oユニットは、フィールドバス通信でやり取りしています。多くのPLCメーカーでは、独自の通信方式を用いています(代表的なものが三菱電機のCC-Linkです)。また、よく使用されているオープンな通信方式は、PROFIBUS、DeviceNet、Modbus, EtherCAT等があります。

なお、Pro-faceには、FLEX NETWORKという省配線I/Oシステムがあり、SP5000シリーズ)と各種FLEX NETWORKユニット(リモートI/Oユニット)を接続することができます。

FLEX NETWORKユニット
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