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デジタルツイン:シーメンスが提案するデジタルトランスフォーメーションの始め方

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Industrie 4.0の実現を目指して

Industrie 4.0

Industrie 4.0(以下、I4.0)は、ドイツが2011年に提唱した製造業の長期ビジョンです。最近では日本でも第四次産業革命という名前でも知られるようになってきました。

歴史を振り返ると、第一次産業革命は、1785年ジェームス・ワットの蒸気機関の発明に始まったとされています。これまで人力や馬力、風車・水車で行っていた作業を、蒸気の力を利用して機械化を進めたもので動力の革命とも呼ばれています。

第二次産業革命は、1865年頃からイギリス、ドイツ、アメリカを中心に始まったもので、重工業の技術革新、電気の利用、ベルトコンベア方式等による大量生産を実現しました。それに続く第三次産業革命は、ソフトウェアを用いた自動化の革命と位置付けられています。PLCはそれまでのリレー制御盤(物理的に電気信号を入り切りして制御)に代わり、プログラム可能なソフトウェアとして生産設備の制御を実現した画期的な発明といえます。

現在はまさに第三次産業革命の最終段階であり、次のビジョンが第四次産業革命すなわちI4.0なのです。

Industrie 4.0実現のコンセプト 「デジタルツイン」

I4.0の本質は、製造業のデジタル化ですが、製造の現場からは「今までもさんざんIT化や見える化には取り組んできた。一体これまでのIT活用とは何が違うのか」という声が多く聞かれます。確かにこれまでも製造業では、設計のデジタル化(CADの導入)やセンサーを駆使した製造プロセスの見える化など、さまざまな領域でデジタル化による効率化を実施してきました。

それに対してI4.0の目指す姿は、プロセスの部分的な効率化にとどまらず、製造業の全プロセスを通じたデジタル技術のフル活用といえます。具体的には、プロセスごとにバラバラの専用システムで構成されていたデジタル化要素をプラットフォーム上でつなぎ、シームレスに製品設計から設備設計、製造やサービスまでつなぐことを目標としています。究極的には、例えば製品設計が完了してから、必要な部品や製造工程の情報も含めて自動的に製造ラインまで情報がつながり、5分後には製造開始できる、さらには製造で得られたデータを製品設計にフィードバックする、というような世界を目指しています。

このような世界を実現するためのキーとなるコンセプトが「デジタル・ツイン」です。デジタル・ツインは、デジタルの双子という意味で、バーチャルの世界でリアルの世界と全く同じ情報を持つことを意図しています。デジタル・ツインは、製品、製造プロセス、製造設備の3つのデジタル・ツインを考慮に入れる必要があります。

図1:3つのデジタル・ツイン

製品のデジタル・ツインは、製品の設計・企画段階で必要な機能要件や各部品仕様の情報に始まり、3Dモデルを用いたシミュレーションなど製品に関わる全ての情報をデジタルの世界で表現しています。製造プロセスのデジタル・ツインは、設備の加工条件や稼働状況、品質情報等の製造プロセスに関わる情報を表現しており、製造設備のデジタル・ツインは、実際現場にはどのような製造設備がどこにあり、どうつながっているのかといった情報を表現しています。

3つのデジタル・ツインを通じて、設備や生産の状況をリアルタイムに把握しつつ、製品設計、生産計画や品質管理システムともシームレスに連携することで、これまでとは違うレベルでのQCDF(Quality, Cost, Delivery, Flexibility)の向上が期待できます。

日本では、製造プロセスの見える化、つまり製造プロセスのデジタル・ツイン、がよく話題になりますが、製品、製造プロセス、製造設備の3つのデジタル・ツインを実現することによる全体最適化がI4.0の核となるコンセプトといえます。

デジタルエンタープライズの実現

このように製造業の全プロセスがデジタルでつながった姿を、シーメンスではデジタルエンタープライズと呼んでいます。

デジタルエンタープライズの実現に対して、生産部門がするべきことは、IT部門とも連携して、製造現場から競争力強化の付加価値を生み出すデジタル・ツイン化を進めることです。この実現には、標準データと共存できる産業用ネットワークとそれを守る産業用セキュリティが鍵になるとシーメンスは考えています。

産業用ネットワークは、現在はコントローラーごとにフィールドバスが存在して、コントローラー間通信にも専用のネットワークを敷設しているケースが多く見られます。また、ドライブ接続はさらにそれ専用のネットワークを使っていることが多いのが現状です。

一方、オフィス系のネットワークは、ほぼEthernetベースのTCP/IPプロトコルとなっており非常に標準化が進んでいます。今後、現場のIoT化を進めるにあたり、センサーレベルも含めた工場設備のネットワーク化を進め、上位系のシステムとの接続も視野に入れた場合、設備ごとに専用線を敷設し、個々にゲートウェイをおいていくやり方ではネットワークケーブルの本数、種類ばかりが多くなってしまいます。そのため、現場のネットワークを統合してEthernet化することが必要不可欠といえます。

ドイツでは、いち早くこのフィールドネットワーク統合の重要性を認め、2004年の時点から自動車工業会(AIDA)を中心に、PROFINETを標準プロトコルとして採用してきました。シーメンスでは、TCP/IPプロトコルと共存し、水平および垂直統合が可能なPROFINETの柔軟性を活かして、製造現場で求められる多くの対応機器をラインアップで用意しています。

また、産業用ネットワークにおいては、オフィスとは異なる要件があります。オフィス系のITネットワークとは違い、産業用のOTネットワークは流すデータや量の要件が設備によって全く異なりますし、ネットワークの不具合により生産を止める訳にはいかないため、冗長性も重要になります。

さらに、制御や安全に関わる通信では、そのリアルタイム性や可用性もITとは違うレベルで必要になります。そのようなIT領域とOT領域の違いを踏まえた上での最適なネットワーク構成を検討する必要があります。

産業用ネットワークセキュリティ

I4.0を目指すにはIT領域とOT領域を繋ぐことは必須になります。これまでは、生産現場のOTネットワークは外部とは分離されてきたことで、ある意味セキュリティを確保できていました。I4.0を目指すにはIT領域とOT領域を繋ぐことは必須になります。これまでは、生産現場のOTネットワークは外部とは分離されてきたことで、ある意味セキュリティを確保できていました。

しかし、上位系も含めた生産システムのネットワーク化を目指した場合、IT側だけでなくOT側のセキュリティ対応を会社として実装していく必要があります。産業用セキュリティは何かの機器を入れれば100%安全が担保されるものではありません。

まずはじめのステップとして、自社の生産設備がどのようなリスクにさらされており、もしもセキュリティが侵された場合、どのようなビジネス上のインパクトがあるのかのアセスメントをする必要があります。アセスメントを元に、自社がとるべき適切な措置を実装し、さらにその状態を継続的に維持・管理していかなければなりません。

将来的には取引先に自社のセキュリティ対策を開示することが求められることも想定されるので、実装においては、Achilles等のセキュリティ認証を受けた機器を元に、国際規格に準拠した対応をとることが重要になります。シーメンスでは、IEC62443で推奨されている多層防御を実現するネットワーク機器や、制御機器をフルラインアップで用意しています。すべての製品はAchilless Level2の認証を受けており安心してお使いいただけます。

おわりに

I4.0を実現するには、標準的な技術を活用し、セキュリティを確保した上で、プロセスや機器を連携していくことが第一歩になります。シーメンスは、それに必要な製品、ソリューション群を長年にわたり準備してまいりました。グローバルでの圧倒的な実績を元に、シーメンスは貴社のI4.0化に貢献いたします。

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